平成29年5月25日(木)臨時役員会が開催され、井上利男会長から辞意表明があり、私今井恭史が次期会長に推薦承認されました。井上利男先生は名誉会長である故加賀美年秀先生から会長を引き継ぎ、長期にわたりご活躍をされました。今後は山梨県臨床内科医会の名誉会長として運営に携わって頂く事になりますが、この場をお借りして、改めて井上利男前会長の功績に敬意を表し、お礼の言葉とさせて頂きます。

 

 日本臨床内科医会は1985年に設立され、現在、猿田享男会長(慶応義塾大学名誉教授)以下、全国都道府県の内科医会から選出された6名の副会長と16名の常任理事、36名の理事、3名の監事で構成され、全国会員数は14,837名(2017年7月25日現在)となっています。日本内科学会の会員数が110,113名(2017年2月28日現在)ですので、日本内科学会員の約7名に1名が日本臨床内科医会に所属している計算となります。この会員数の違いは、主に日本内科学会が大学病院や総合病院の内科勤務医を対象とした高度医療や先進医療などを含む専門的な研究発表を主とする学術団体であり、新たな専門医制度にも関わる資格取得に入会が必須な為、私も含め、内科を専攻とする多くの医師が所属しているのに対し、日本臨床内科医会は、設立経緯が日本内科学会に参加した第一線の内科開業医、勤務医の医師達が結集した実地医科診療を主とする学術団体である事から、多くの大学病院の内科医局員や総合病院に勤務する内科の医師らが臨床内科医会へ入会をしていない事が、その理由と考えられます。日本臨床内科医会の活動としては、全国規模の医学会や年次総会の開催、認定医及び専門医制度による会員自己研磨活動、年4回(5冊)の会誌発行や、医療保険制度に対する要望として、各県内科医会から制度に対する要望を取りまとめ、内科系学会社会保険連合及び日本医師会を通じて厚生労働省への提言や、医療保険や介護保険に関する各県の要望を直接的に厚生労働省に提言しており、最近では、先生方の要望が採用されるケースが増えてきています。又、かかりつけ医の特性を生かした調査活動にも力を入れており、2000年から継続するインフルエンザ研究では、その功績がインフルエンザ診療マニュアルとして出版され、多くの先生方から大変、ご好評を頂いております。さて、山梨県臨床内科医会ですが、山梨県は全国的にも人口が少ない県である事に加えて、他県と異なり医師会主導による診療科ごとの各医会が存在しない為、全国各都道府県の内科医会で構成されている日本臨床内科医会の存在を知らない内科医の先生方がとても多く、全国の中でも会員数が少ないのが現状です。1990年に初年度登録された山梨県臨床内科医会ですが、県内には1964年から続く、勉強熱心な先生方の会から発足した入会を必要としない甲府市内科医会が存在し、1974年以降、故加賀美年秀先生が甲府市内科医会の会長として、1990年以降は、山梨県臨床内科医会の会長を兼務する形で、双方を二階建の医会として運営をされていた経緯が御座います。その後、甲府市内科医会は会則改定により、会員(講演会参加者)対象を内科医から趣旨に賛同する医師及び医療従事者へと大きく舵取りを切り、甲府市内科医会が企画する伝統のある学術講演会には、医師のみならず、薬剤師や看護師、他、コメディカルを含めた多くの医療従事者の参加があり、現在まで運営が引き継がれています。この様な背景から山梨県においては内科診療に従事する医師正会員で構成される公式団体は、現在、山梨県臨床内科医会のみとなっております。今後の山梨県臨床内科医会の事業計画ですが、所属会員の先生方を含めた県内で内科診療に従事する医師を対象とした学術講演会の企画を主軸としながら、出来るだけ講師の先生と参加をされる先生方の距離が近い、日常診療・プライマリ・ケアに直結する講演会の企画や、医学生や内科系以外の医師らも対象とした心電図セミナーの定期開催等を進めていく予定で御座います。


   最後になりますが、この度の総会で新たに承認された役員先生方と一同一丸となって、伝統ある当医会の発展のために邁進していく覚悟ですので、どうぞ会員の皆様、何卒、宜しくご協力、ご支援をお願い申し上げ、会長就任のご挨拶とさせて頂きます。

 

山梨県臨床内科医会

会 長 今井 恭史